2020/05/25公開

駅概要

大平駅の詳細な開設日は不明ですが、1948(昭和23)年5月、西原~大谷間における従業員輸送の開始とともに開設されたと考えられます。
駅の構造は1面1線で、ホーム上には待合用の屋根が設置されていました。駅のすぐ南側には下の車道を跨ぐ陸橋があり、現在も橋桁が残っています。その橋桁のすぐ脇には、ホームへアクセスするための階段がありました。
また、駅の南西側には三井鉱山大平社宅があり、1960(昭和35)年10月の時点で1,000人余りが暮らしていました。

沿革

1944(昭和19)年03月三井化学玉名専用鉄道として、原万田~玉名(後の大谷?)間が開通した
1948(昭和23)年05月西原~大谷間の従業員輸送開始。この時期に、大平駅も開設されたと考えられる
1949(昭和24)年02月大谷~平井間の従業員輸送開始(大谷行き列車の行先が平井まで延長)
1964(昭和39)年08月地方鉄道・三池鉄道線として営業運転開始
1973(昭和48)年07月地方鉄道・三池鉄道線としての営業運転終了
1984(昭和59)年10月従業員輸送終了

現在の状況

私が1997(平成9)年9月に訪れたときは、一目で廃駅と分かる姿を見せており、ホーム上の屋根も残存していました。
しかし、2020(令和2)年5月の再訪では、周囲は藪に埋もれ、どこに駅があったのかさえ分からない状態となっていました。下の車道からホームへアクセスする階段は、藪に行く手を阻まれホームへ上がることは困難でしたので、ホーム裏手から藪をかき分けてホーム上へ何とか辿り着けたものの、周囲は藪に囲まれているため身動きが取れず、辛うじてホーム上にあった屋根の骨組みを確認することができました。

1997年の撮影当時は廃駅の姿を見せており、待合用の屋根も残っていた。(1997/09/21撮影)
2020年5月の再訪時の様子。写真のどこかに駅が映っている・・・。(2020/05/24撮影)
駅のすぐ南側に残る橋桁。(画面左側が大平駅、画面右側が宮内駅。)(2020/05/24撮影)
橋桁のすぐ脇(矢印部分)に、ホームへ上がる階段がある。(2020/05/25撮影)
藪のトンネルの先まで進んでみたが、そこから先は深い藪に行く手を阻まれた。(2020/05/25撮影)
駅の裏手からホームへのアクセスを試みる。この藪の向こう側にホームがあるはずなので、地元の方の許可を得て、ここを突き進んでみた。(2020/05/24撮影)
何とかホーム跡に立つことに成功し、宮内方面を望む。画面中央付近に写るのが、ホーム上にあった屋根の骨組み。(2020/05/24撮影)
ホーム上から原万田方面を望む。もはや、藪しか見えない。(2020/05/24撮影)
ホームの下に降りてみる。画面中央にホームが写っているのがお分かり頂けるだろうか。(2020/05/24撮影)
ホームにあった屋根の骨組み(2020/05/25撮影)
画面左に屋根の骨組みが写る。画面右奥が原万田方面。(2020/05/25撮影)
画面左が宮内方面、画面右が原万田方面。画面中央より少し右辺りが大平駅跡。(2020/05/24撮影)

所在地