三池炭鉱専用鉄道が開通した1891(明治24)年当時、導入された車輌は3台の輸入蒸気機関車と100両の炭車でした。
官営から三井組へ払い下げられて間もない三池炭鉱は勢いよく発展し、専用鉄道も拡充を続け、1908(明治41)年には蒸気機関車の数も17台となりました。

1909(明治42)年、三池港駅の一部を電化し、港湾荷役用として15トンの輸入電気機関車が導入されました。鉄道近代化の象徴ともいえる無煙化の幕が、三池で開いた瞬間です。また、1912(明治45)年7月から始まった本線の電化に合わせ、22トンの輸入電気機関車の運転が始まり、その後これらの輸入電気機関車をコピーした国産電気機関車も登場しました。さらに、1936(昭和11)年には、輸送量の増大に対応するため大型の45トン電気機関車が導入されました。

また、1946(昭和21)年からは専用鉄道を利用した従業員輸送が開始されたため、これに合わせて客車も導入されました。

このように、三池炭鉱専用鉄道には、輸入蒸気機関車、輸入・国産電気機関車、石炭貨車および客車など、バリエーション豊かな車輌が在籍し、その経歴や導入の背景はとても趣深いものです。

ここでは、「蒸気機関車」「電気機関車」「貨車」ならびに「その他の車輌」の4種類に分けて紹介しています。