2020/05/10改定

三池炭鉱専用鉄道研究所へようこそ

三池炭鉱における石炭の運搬鉄道は、1879(明治11)年に横須浜〜七浦間(いずれも、現・福岡県大牟田市)に馬車鉄道として開通して以来、1997(平成9)年3月の三池炭鉱閉山までの118年間、その動力は蒸気を経て電気へと進化し、また、路線は坑口の開坑や閉坑に伴い、延伸・短縮を繰り返してきました。

閉山後も、三池炭鉱専用鉄道で活躍した電気機関車と一部路線が、2020(令和2)年5月7日まで三井化学専用線として濃硝酸の運搬に利用され、地元住民からは「炭鉱電車」として親しまれていました。

一方、2015年7月の第39回世界遺産委員会において、三池炭鉱の宮原坑、万田坑および専用鉄道敷跡を含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界文化遺産として登録決定され、それらの遺構は当時の繁栄と技術力の高さを現代に伝えています。


私は、炭鉱の町であった福岡県大牟田市で生まれ育ち、炭鉱電車が町の中を走る姿は当たり前の光景でした。
町中に閉山の噂が流れ始めた頃、当時中学生であった私は「炭鉱電車を記録に残したい」との想いから、カメラを片手に自転車で三池港へ向かいました。

三池港には、広大なヤードに数えきれないほどの炭車が置かれ、マルーン色の電気機関車がモーター音を響かせて行き来していました。夢中で撮ったあの頃の写真は、私の大切な宝物です。

そんな歴史ある鉄道が、地元・大牟田を走っていたことは私の誇りであるため、三池炭鉱専用鉄道を後世に伝えていきたいと思っています。

そこで、より多くの方に三池炭鉱専用鉄道に興味を持って頂きたく、当サイトを立ち上げ、三池炭鉱専用鉄道として現役だった頃の写真や、三井化学専用鉄道として走っている現在の姿、または様々な資料や文献から集めた三池炭鉱専用鉄道に関する情報を発信することにしました。

また、 世界文化遺産である宮原坑や万田坑を訪れた方におかれましては、専用鉄道敷跡の見学の際に、当サイトがその参考資料としてお役に立てば幸いです。

コンテンツは随時充実させていきたいと思いますので、これからも「三池炭鉱専用鉄道研究所」をよろしくお願いします。

2020年4月 管理人 EZ Traveler

コンテンツ

参考文献

当サイトの作成にあたり、数多くの文献や資料を参考にさせて頂きましたので、ここに紹介いたします。

  • 『鉄道ピクトリアル No.434』(電気車研究会刊・S59.7)
  • 三井鉱山株式会社『男たちの世紀-三井鉱山の百年』(三井鉱山株式会社刊・H2.5)
  • 『Rail Magazine No.124』(ネコ・パブリッシング刊・H6.1)
  • 大牟田市役所主査・主任会編『大牟田の宝もの100選』(海鳥社刊・H14.2)
  • 『模景を歩く』(ネコ・パブリッシング刊・H15.1)
  • 所澤秀樹著『鉄道の基礎知識』(創元社刊・H22.2)
  • 中村尚史著『海をわたる機関車』(吉川弘文館刊・H28.2)
  • 上妻幸英著『三池炭鉱史』<復刻版>(教育社刊・H29.9)
  • 『Nゲージモデルで知る貨車読本』(イカロス出版刊・H31.1)
  • その他、大牟田市立図書館の所蔵資料