路線図-1894(明治27)年
※ 三池港開港前であるため、海岸線は当時のものと異なります。

1885(明治18)年11月、勝立坑の開鑿(かいさく)に着手しましたが、多量の湧水によって工事は難航し、1887(明治20)年に開鑿は一時中断となります。さらに、1889(明治22)年7月28日に発生した熊本地方を震源とするM6.3の地震によって湧水が増加し、工事中であった勝立坑は水没してしまいました。

三池炭鉱の発展には勝立坑の開鉱が欠かせないと期待されていたことから、当時三池炭鉱社事務長であった團琢磨は、勝立坑の復旧策として最新鋭の英国製排水ポンプである「デビーポンプ」2台を発注し、1893(明治26)年、当時世界最大と謳われたデビーポンプが運転を開始しました。デビーポンプによって見事に排水は成功し、1894(明治27)年3月、念願であった勝立坑が開鉱しました。

この勝立坑の開鉱に伴い、勝立坑開鉱の4日後に平原(七浦)~勝立間が開通しました。

なお、勝立坑開鉱の3年前である1891(明治24)年4月1日、九州鉄道(現・JR九州)の久留米~高瀬(現・玉名)間が開通し、同日に大牟田駅が開業しました。