2020/06/12公開

※ 以下の情報は、2020(令和2)年6月時点の情報です。

三井化学専用線は2020(令和2)年5月7日に運行が終了していますが、その後も宮浦駅には5両の電気機関車が在籍しており、そのうち4両(11・12・18・19号機)が稼働できる状態で維持されています(9号機は不具合のため稼働不可となっています)。
通常、20トン級B形電気機関車(以下、「20トン機」という。)1両と、45トン級B-B形電気機関車(以下、「45トン機」という。)1両が宮浦駅事務所付近に停泊しており、残りの3両は車庫の中に入庫しています。
数日に一度、稼働状態にある電気機関車のうち1両を使用して、宮浦駅で構内運転されることがあります。これは、宮浦駅構内の錆び取りや機器の固着防止を目的としており、おおむね朝8時頃から9時頃の間の20分間程度です。ただし、既述の通りその頻度は数日に一度ですので、運が良ければ見ることができるという状況です。

三井化学専用線はすでに運行を終了しており、また、元々旅客営業や一般貨物等を取り扱っているわけではないため時刻表や旅行誌に掲載されておらず、宮浦駅までのアクセスを知るのは困難です。そこで、宮浦駅を見学してみたいが行き方が分からないという方のために、公共交通機関を利用した場合のモデルコースを考えてみました。

【注意】
三井化学専用線は、2020(令和2)年5月7日をもって運行が終了しているので、電気機関車や貨物列車が本線を走ることはありません。また、数日に一度の頻度で構内運転が実施されていますが、曜日・時間ともに不定期となっています。
なお、構内運転が実施されない場合でも、20トン機1両と45トン機1両が宮浦駅構内で停泊している状態をフェンス越しに見学することは可能です。

モデルコース概要

西鉄新栄町駅 → 旭町1号踏切(旭町バス停)→ 宮浦駅 → 車庫 → 宮浦石炭記念公園

1. 西鉄新栄町駅から旭町1号踏切へ

公共交通機関を利用して宮浦駅を見学する場合は、西鉄新栄町駅または西鉄バス旭町バス停の利用が便利です。

西鉄新栄町駅改札を出たら左手の階段を降ります。

駅の階段を降りてまっすぐ進み、やがて左手に出てくる西鉄天神大牟田線とJR鹿児島本線の「旭町踏切」を渡ります。

踏切を渡ったら、一つ目の角を左折します。

「ホテルニューガイアオームタガーデン」の前を通り過ぎると、旭町1号踏切に到着です。

なお、「ホテルニューガイアオームタガーデン」の向かいにある自動販売機が、本行程最後の自動販売機となりますので、水分を持っていない場合はこの自動販売機で水分確保することをお勧めします。

2. 旭町1号踏切(旭町バス停)から宮浦駅へ

旭町1号踏切のすぐ脇に西鉄バス旭町バス停がありますので、大牟田駅から西鉄バスを利用する場合は、旭町バス停で降りると便利です。

旭町1号踏切を見学した後は、いよいよ宮浦駅へ向かいます。
まず、旭町バス停の上に架かる歩道橋を渡ります。

歩道橋を渡り終えたら、「高専ダゴ」の脇道を進みます。なお、高専ダゴとは四角いお好み焼きのことで、大牟田のソウルフードです。

しばらく進むと、ガードが見えてきます。これは三池炭鉱専用鉄道線の遺構であり、向かって左側が宮浦駅、右側が三池浜駅方面です。

ガードをくぐったら左折して、線路跡沿いに歩きます。

一つ目のT字路を右折します。

正面に白い橋が見えてきますが、これは「泉橋」と言います。1916(大正5)年7月に竣工したコンクリート橋で、橋の奥にはかつて三井の医局があったそうです。大牟田市内で最も古い鉄筋コンクリート橋と考えられています。

泉橋見学の後は、川に沿って歩きます。なお、この川は「大牟田川」です。三池港が竣工する前は、この大牟田川の河口付近から石炭を搬出していました。

しばらく進むと、大牟田川に架かる橋がありますので、その橋を渡ります。

渡り終えたところに、川の右側に沿う道がありますので、その道を川沿いに進みます。

川が左奥へと流れを変えるころ、線路や架線柱が見えてきます。鉄道ファンとしてはワクワクする瞬間です。

しばらく進むと、東泉町2号踏切に到着です。踏切の脇には線路の行く手を阻む門扉がありますが、その門扉の奥が宮浦駅構内です。
旭町1号踏切からここまで、徒歩15分程度です。

3. 宮浦駅事務所・車庫へ

東泉2号踏切を渡り、宮浦駅事務所方面へ向かいます。
宮浦駅事務所は木造2階建ての建物で、通常20トン機が事務所下に停泊しています。

宮浦駅事務所と20トン機を見学した後は、さらに線路沿いに進みます。

やがて左側に見えてくる大きな建物が車庫です。車庫の先には3両の電気機関車の廃車体が留置されています。

宮浦駅の詳細については、こちらのページもご参照ください。
宮浦駅のページ

4. 宮浦石炭記念公園へ

車庫と電気機関車の廃車体を見学した後は、宮浦石炭記念公園へ向かいましょう。
車庫の横にある三坑町3号踏切を渡ったら、そのまま道なりに進みます。

やがて、右手の道と合流しますので、鋭角に右折して合流した道を上がっていきます。

しばらく進むと、右側に宮浦石炭記念公園があります。

公園の奥に宮浦坑の煙突がありますので、煙突付近からフェンス越しに宮浦駅構内を見下ろすことができます。

帰りは、公園を出たら右に進みます。一つ目の信号を右折すると東泉町2号踏切の道に出ますので、これで宮浦駅周辺を一周したことになります。
信号を右折したらすぐのところに、宮地嶽三柱神社があります。小さな神社ですが、緑に囲まれて心落ち着く場所です。鳥居には「明治三十年」と刻まれてありますので、ちょうど旭町支線が開通した年にこの鳥居が建てられたようです。