三池炭鉱専用鉄道には、早朝や深夜にも通勤列車が走っていた時代があります。深夜の大牟田・荒尾の町を、2両の客車を牽いた電気機関車が走る―――。客車の室内灯をボンヤリ灯らせて築堤上を行くその光景は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を想像させたことでしょう。
三井化学専用線では日中のみの稼働であったため、暗闇の中にジョイント音が響くことはありませんでした。シーンと静まり返った宮浦駅、深夜でも煌々と明るい三井化学の工場、タクシーが行き交う夜の旭町1号踏切、、、ここでは、三井化学専用線の夜の光景をご紹介します。