三池炭鉱専用鉄道には、早朝や深夜にも通勤列車が走っていた時代があります。深夜の大牟田・荒尾の町を、2両の客車を牽いた電気機関車が走る―――。客車の室内灯をボンヤリ灯らせて築堤上を行くその光景は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を想像させたことでしょう。
三井化学専用線では日中のみの稼働であったため、暗闇の中にジョイント音が響くことはありませんでした。シーンと静まり返った宮浦駅、深夜でも煌々と明るい三井化学の工場、タクシーが行き交う夜の旭町1号踏切、、、ここでは、三井化学専用線の夜の光景をご紹介します。

宮浦駅では、夕方に工場から搬出されてきたコキが明朝の出発を待っていた。(2020/04/28撮影, 60s, f5.6, ISO100)
三井化学の工場の光を浴びた19号機。光る車体はその重々しさを強調している。(2020/05/07撮影, 30s, f5.6, ISO200)
夜の三井化学は、工場夜景が美しい。(2020/04/22撮影, 30s, f5.6, ISO100)
20トン機定番の構図も、夜になれば雰囲気が変わる。(2020/04/28撮影, 30s, f5.6, ISO400)
光る線路のその先は、旭町1号踏切である。(2020/05/07撮影, 13s, f5.6, ISO160)
国道208号線を横切る夜の旭町1号踏切は、家路を急ぐタクシーが行き交う。(2020/05/07撮影, 6s, f5.6, ISO250)
この日は、フラワームーンが大牟田の街を明るく照らしていた。(2020/05/07撮影, 4s, f5.6, ISO400)
旭町支線が開通した1897年は、どんな夜景が広がっていたのだろう。(2020/05/07撮影, 30s, f5.6, ISO160)
宮浦駅の夜間撮影を終えて、ふと夜空を見上げると、そこには北斗七星が輝いていた。(2020/05/07撮影, 6s, f5.6, ISO3200)